第2回:長さ・速度・時間・温度?


【長さ・速度・時間・温度も決め事

 ここに長さの違うAとBの2本の棒があるとします。

 A:■■■■■■■■■■

 B:■■■■■■■■■■■■■■■

 実際に目の前にあれば、ある程度長さが異なれば、目で見て”どちらが長いか?”は判ります。
 しかし、客観的に「どちらがどれほど長いのか?」という事になると、何かで「測る」事になりますね。
 何で計るかといえば、まず「単位」になるモノを決めます。
 2本の棒よりも”充分に短く”て”長さが変わらない”ものであれば、小石でもヒモでも何でもいいのですが、ダレでも持っている(又は知っている)モノが良い訳です。
 例えば「」で測ったとしましょう。
 Aは指10本分、Bは指15本分…とすれば、ダレでもAとBそれぞれのおおよその長さと、どちらがどれほど長いのかが判りますね。

 でも、「」では、あまりに曖昧なので、普通は定規を使って測ります。
 Aは10cm、Bは15cm…とか。

 でも普通の定規は、メモリの間隔が1mmしか無いですから、正しく測れるのはせいぜい0.5mmくらいの精度ですね。
 もっと精密に測るなら、ノギスとかマイクロメータとか、更には非常に精密に計測できる測定器が様々存在し、極微細なモノから月までの距離だとかまで正確に測れます。
 ま、これも「測定器を信用する」というのが大前提になる訳ですが。(^○^;)

 それでは、そもそも計測の元になっている「1m」とは何でしょう?

 元々の基準は”地球の子午線(赤道と北極の間の海面上の距離)の1000万分の1”を元に作られた「メートル原器」というのが有名ですね。

 現在では「1秒の1/299792458の間に光が真空中を伝わる行程の長さ」と定義されています。

 この定義で奇妙なのは、”真空中の光の速さを299792458m/秒で一定とする”と決められているという事です。
 つまり、1mを定義するための光の速度の単位に「m(メートル)」が使用されているって事。(^○^;)
 この速度の単位の1mは「メートル原器の長さ」なので、この定義は結果的に単に「光の速度を規定しているだけ」なんですなぁ〜(爆)

 ま、結局は今でも、200年以上前の1798年に作られた「アルシーブの原器」(後のメートル原器)が基準になっている訳です。

 しかし、こんな事はどうでも良い事なんです。
 最初に書いた様に、単位なんてものは「一定で変化しない」という条件さえ満足すればそれで良いのです。(^-^)b
 で、”メートル原器の長さは変化しない”と決めているだけなんです。(^_^;)

 ついでに、もう一つ。
 「1秒の…」と「/秒」って事は、”時間(1秒)の長さも一定”である必要がある訳で…(^○^;)

 ちなみに、現在では「秒は、セシウム133の原子の基底状態の2つの超微細準位の間の遷移に対応する放射の周期の9192631770倍の断続時間」と定義されています。
 ↑なんのこっちゃ!?(爆)
 そして、この定義の補足として「この定義は温度0 Kのもとで静止した状態にあるセシウム原子に基準を置いている」となっている。

 ここで、また更に「温度0(ゼロ)K」と「静止(速度=0)」というキーワードが登場し、疑問は疑問を生んで行く訳である。(笑)

 熱力学温度の単位ケルビン (K) は「水の三重点の熱力学温度の1/273.16」と定義されています。
 「水の三重点」というのは水が氷・水・水蒸気の三相が共存する状態で”0.01℃”なので、温度0(ゼロ)K…一般的には絶対零度とも言われる温度は−273.15℃となります。
 何で「水の三重点」を基準にしたかと言えば「0℃の定義」が実験的に一定では無かったからでしょうね。
 でもそれなら、「水の三重点」が0.01℃って何で測ったの?(^_^;)
 さて、−273.15℃っては何かといえば「自然界で最も低い温度で、全ての分子が固体となり移動運動を停止する(が振動運動だけは残っている)」という温度です。
 ・・・ん?「温度」って、個体の場合は分子の振動だよなぁ〜・・・

 で、「静止している」だけど、”絶対零度では全ての分子が移動運動を停止する”んだよね。
 なのに、更にわざわざ「静止している」と付け加えるという事は、「移動していた場合は放射周期が変化する」って事なのか?
 って、話は、相対性理論に絡んでくるのかな?(^○^;)