第10回:光より速いニュートリノの謎


 国際研究グループ「OPERA」が昨年9月、ニュートリノの速度計測実験で光速よりも速いという結果報告に対して、
計測機器不備の指摘があり、5月から再実験を行う予定だそうです。

 また、別の機関でも別の方法で検証実験を行うものと思われます。
 いずれは何かしらの結果が得られると思いますが、ここでは、私の見解を述べてみます。

 私の一番の期待は、この問題によって相対性理論の誤り「相対性理論の解釈の間違い」が明確になることです。

 ニュートリノ速度が光よりも速いのか?
 に関しては、
 超新星爆発の観測データから、光とニュートリノの地球への到達がほぼ同時だったという結果から、
 光とニュートリノの速度が同じだと考えます。

 そもそも、光もニュートリノも電磁波も、速度が同じだというのは不思議ですが・・・

 では、何が原因で速度の違いが観測されたのか?

 私は、GPS衛星による時計の影響だと思います。

 GPS衛星の時計は、相対性理論による「遅れ」が考慮されています。
 実際、GPS衛星に搭載されている原子時計は地上のものより「遅れる」ので、
 これを補正する制御が行われているそうです。

 しかし、私が考えるGPS衛星の原子時計の「遅れ」は、2つの問題を含んでいます。

 まず、「速度は相対的」であり、「概念」であるということ。

 GPS衛星が観測点に近づいてくる場合には、相対的に電波が届く時間が短縮し、
 離れて行く時には伸びるので、その分の補正が必要です。
 つまり、近づいてくる時が「+」であれば、離れて行く時は「−」です。

 ところが、相対性理論では、『速度によって時間(の遅れ)』が決まるので、
 近づいてくる時も離れて行く時も「遅れが同じ」だと解釈されています。
 (少なくとも、出版されている本やテレビの解説では、そう解釈されています)

 でも、考えてみて下さい。
 速度というのは「相対的」なものです。
 観測する相手により異なるのに、対地速度が一定だからと言って、時間の遅れも一定でしょうか?

 つまり、今回の実験では、ニュートリノを発射した地点と、到着を観測した地点は730kmほど離れていて、
 各々の地点のGPS衛星との相対速度は異なる筈です。

 さて、もう一つの問題は、GPS衛星の「原子時計の遅れ」が、衛星の速度によるものなのか?です。

 原子時計の遅れは、航空機に搭載して飛行した後に遅れが計測された事から正しいとされています。
 しかし、繰り返しになりますが、「速度」は「相対的」なものです。
 これが、実際の物質(原子時計)に影響を与えるとは到底思えません。

 では、何故原子時計が遅れるのか?

 何度か書いていますが、「時間」も「概念」です。
 概念が物質に影響を与える事はありえません。

 しかし、実際に原子時計が遅れたとすれば、それは何かが物質に影響を与えたという事です。

 私は、『加速度』が「物質の運動」に影響を与えると考えています。

 相対性理論でも、重力が時間や空間に影響を与えるとされています。

 前に書きましたが、相対性理論の「空間」というのは、光が進む経路の事で、
 私は、「光も重力の影響を受けているだけ」と書きました。

 重力も加速度です。
 この加速度が、原子時計の運動に影響を与えているという事は不自然ではありません。
 原子時計は原子核の固有振動を利用しているので、加速度によりこれが影響を受けるのでしょう。

 航空機に乗せた原子時計が遅れたのは、航空機の離陸と着陸による加速度の影響と、
 高い高度を通過した事による、地球から受ける重力の差によるものだと思います。

 一方、GPS衛星では、地球の周回軌道上を移動しています。
 絶えず地球の重力で落下を続けながら周回している訳です。

 この状態では、GPS衛星は「自由落下」しているので、
 重力の影響受けずに、無重力状態で浮かんでいるのと同じです。

 ですから、地上で1Gの重力を受けている原子時計と、
 重力を全く受けていない無重力の衛星内の原子時計では、
 原子核の運動に差が出る…時計の進み方が異なる…のは、あって当然の事と思います。


 さて、今回の実験結果が、
 単に計測器の問題で終わるのか?

 新しい理論が生まれるのか?

 私が期待する、「相対性理論の解釈の間違い」が明らかにされるのか?

 大変興味深いところです。


【続く】