第32回:移動する光源からの光【マイナス編】
アインシュタインは、1次元のX軸上の1方向(原点から遠ざかる)動きだけを持って、
3次元の、どの方向でも同じだとしました。
しかし、
光速度相対の場合は、
当然ながら、観測者に対して相対的な速度で伝わるので、
方向が変われば結果も変わります。
なので、
剛体の棒が、反対方向、
つまり、X軸を右から左へ(観測者へ近づく方向で)移動する場合を考えてみます。
で、先ずは、v=−0.5cの図が、こちら↓
先ず、「光速度不変」の場合の青線ですが・・・
棒ABの前端(A)が、X軸の2目盛目を通過した信号が原点(観測者)に届くのがT2.0で、
後端(B)が届くのがT3.0なので、時空グラフ上のABは、
上図の様に「左下がり」の青線矢印になります。
これは、棒ABの移動方向が『右(プラス)』方向の時と、
「角度が同じで、矢印が逆」という所に注目して下さい。
で、T3.0の時点で、原点に届く前端(A)の信号は、
前端Aの軌跡(左側の黒点線)との交点なので、T2.0の時の信号です。
従って、T3.0の時点で観測者が見るABは、
A(2)B(0)の位置になり、
ABの長さは実際の2倍、ABの時間差は2秒(2倍)であり、
長さは実際よりも伸びて、
時間差は進行方向が逆の場合と異なります。
「光速度相対」の場合は・・・
棒ABの前端(A)が、X軸の2目盛目を通過した時の光が原点に届くのはT1.333で、
後端(B)が届くのがT2.0なので、時空グラフ上のABは、
上図の様に「左下がり」の赤線矢印になります。
これは、棒ABの移動方向が『右(プラス)』方向の時と、
「角度も矢印も異なる」という所に注目して下さい。
で、T2.0の時点で、原点に届く前端(A)の信号は、
前端Aの軌跡(左側の黒点線)との交点なので、T1.0の時の信号です。
従って、T2.0の時点で観測者が見るABは、
A(1)B(0)の位置になり、
ABの長さは実際の1.5倍で実際よりも伸びますが、
ABの時間差は1秒で逆方向と同じです。
で、v=0の場合は、K系=K’系なので省略します。(^_^;)
v=−cの場合の図がこちら↓
「光速度不変」の場合は、A点およびB点が通過した信号と、棒ABが同時に届きます!(^○^;)
従って、棒ABが原点に至るまでは、
観測者から見えません!
一方、
「光速度相対」の場合は・・・
棒ABの前端(A)が、X軸の2目盛目を通過した時の光が原点に届くのはT1.0で、
後端(B)が届くのがT1.5なので、時空グラフ上のABは、
上図の様に「左下がり」の赤線矢印になります。
v=−0.5cと比較すると、矢印の角度がより寝ています。
で、T1.5の時点で、原点に届く前端(A)の信号はT1.0の時の信号です。
従って、T1.5の時点で観測者が見るABは、
A(1)B(0)の位置になり、
ABの長さは実際の2倍ですが、
ABの時間差は1秒で同じです。
つまり、
vに比例して長くなりますが、
v=−cで長さ=2倍となり、
ABの時間差は、速度に関係なく1秒です。
また、光速度で近づいてくる場合は、
A点が原点に到着するまでは、
実際の速度(c)の2倍の速度で近づいてくる様に見えます。
で、通過すると原点に吸い込まれる様に消えていきます。
【続く】