第44回:「重力と光」


重力(万有引力)と時間の関係ですが、
その前に、重力について考えてみます。

重力は質量に比例して、全ての物質の間に働く引力です。

引力は物質を引き寄せて加速させるエネルギーですが、
引力を放出しても質量が減るとは思えないので、
何か(エネルギー)を放出しているというよりも、
「相互作用」と考えるべき力です。

重力も光も、恒星から放射されますが、
発生源から連続的に継続して球状に広がる事から、
イメージ的には、星がエネルギーという大気を次々に発生して、
大気圏がどんどん広がって大きな球状に膨らんでいく様な感じです。

そして、その球の半径(光源までの距離)の二乗に比例して表面積が広がる(希薄になる)ので、
単位当たりの強度(見かけの明るさや引力)は、距離の二乗に反比例して減衰して暗く(弱く)なります。
※.距離が離れることでエネルギーが減衰するのではなく、拡散して希薄になります。

重力も光も、重力同士、光同士は相互作用が全くないので、
文字通り星の数ほどある恒星から発した光は、
無数に交差しているにも関わらず、
互いに干渉する事無く素通りして観測者(地球)に届きます。

重力と光の違いは、周波数(エネルギー強度の振動)で、
重力には一般的には周波数(強度の振動)が無く、
重力波は重力源(質量)の振動(二重星の公転など)で発生するのに対して、
光は、発光時の発光源の状態によって発生するエネルギーの振動で周波数(粗密波)が発生します。

ちなみに、
光が、粒子(光子)なのか?波なのか?という命題がありますが、
例えば、光は気体(空中)から液体(水中)や透明な個体(ガラスなど)に入ると、
その密度差(光が伝搬する速度差)で屈折して、速度が遅くなりますが、
液体や個体から元の気体へ戻る際には、
逆方向に屈折すると共に再び元の速度に戻ります。

光が粒子(光子)で放出されて、慣性で進むのであれば、
抵抗で速度が落ちれば、どんどん減速する筈ですが、
密度が異なる媒質に入って一旦変わった速度は、その後維持して変化しない
(あくまでも境界で速度が一気に変化する)ので、
粒子が抵抗により速度が落ちるとは考えらません。

また、粒子であれば、元の媒質(気体」に戻る際に加速する事も無いでしょう。

なので、光は絶えず後ろ(光源)から押されながら伝わる波で、
光源との間に働く相互作用のエネルギー波の伝搬であると考えるしか無いように思います。

但し、光が他の物質と相互作用を行う際には、
決まった単位のエネルギー量で作用するので、
粒子の様な振る舞いになると考えられます。

さて、「質量」は重力の元になり、「質量」に比例した引力が発生する訳ですが、
慣性系における「動きづらさ」(止まろうとする力)に対応して、
それを加速したり減速させるために必要なエネルギーに比例する力です。

なので、物質が重力に反応(相互作用)しなければ重量(質量)はありませんし、
重力に対して反発すれば(地上では)UFOの様に浮くことができるはずです。(^_^;)

重力(万有引力)は全ての物質を引き寄せる「加速度」で、
重力にあがなって静止していれば加速度(重力)として認知できますし、
引力に任せて加速(自由落下)すれば、
無重量状態となって、引力は検知できません。

つまり、クルマや電車で加速すれば加速度を認知できるのに、
自由落下は加速しているのに検知できません。

これは、クルマなどが加速する場合は、
クルマが加速する一方で、乗っている私たちは、
慣性によって止まろうとするため、
後ろから押される圧力を検知する訳です。

つまり、重力は慣性があるから、それに対応(対抗)する力であり、
コーナーで外側へ向かう力(遠心力)も、
直進しようとする慣性力に対して進行方向を曲げる力の反力として検出される同種の力(加速度)です。

一方、ケーブルが切れて自由落下するエレベーター内は無重量状態で、
地球を回る人工衛星や宇宙ステーションも自由落下なので、
人工衛星内部や宇宙ステーション内は無重量状態であり、
重力加速度は検出されません。

なので、物理的な加速と慣性と重力(万有引力)は同じものです。
(少なくとも区別できません)

ところで、
光は質量が無いので重力の影響を受けないはずが、
恒星などの大質量の近くでは光が曲がることが分かっていて、
一般相対性理論では「空間が曲がる」と説明されています。

しかし、これは単に「光も慣性の影響を受ける」事から、
単純に重力の影響で曲がると考えた方が自然です。

光が慣性の影響を受けるというのは、
例えば、地球は自転しながら太陽の周りを公転して、
更に、太陽系は銀河系の中で回転しています。

つまり、地球は重力と慣性によって非常に複雑で高速な運動をしている訳ですが、
遠心力と慣性と自由落下の慣性系の中にあるため、
我々はその運動(加速度)を検出できません。

その地球上で、どの方向へ向けて発射した光でも、
同じ速度(光速度)で光源から相対的に直進します。

これは、とりもなおさず、光が慣性系の影響を受けているという事で、
他の物質と一緒に、重力による自由落下の中にある事は明白です。

これだけでも、光が慣性と重力の影響を受け、
光速度が相対的であると認識できます。

【続く】