2009/01/01
ほ〜ちゃんの治療 その2

手首の骨折でギブスをはめられたんで、少なくともギブスが外せるまで1ヵ月はバイクに乗れない。
なので、その間にほ〜ちゃんの修理をする事にした。

ラジエターホースとか機関と走行に関する肝心な所は栄輪堂に任せるとして、私はタンクなど外装品の修理をする。
タンクは、交換となるとかなり高額だし、ジムカーナの練習に使えば、またコケるだろうし・・・
って事で、取り敢えず、タンクが割れてガソリンが漏れたりしない程度に治すことにした。

ぐちゃぐちゃに凹んだ所は、塗装片を落とした後に、超硬質のエポキシパテを埋めて補強する。
これは、GSX-R1000のミラーを補修した時に使用したレクターシールを1本半使った。

で、後は、タンクプロテクターなるもので凹みを隠せば終了ぉ〜!




・・・と、思っていたのだが、これが、全然タンクに合わない・・・(−_−;)

実は、05モデルのホーネット600は、燃料タンク容量が16リットルから19リットルに増加していて、タンクの形状が変わっている様なのだ・・・

という事で、パテ埋め整形→塗装、という作業を行う事になってしまった。

先ず、パテ埋め整形は、元通りの形状に成型するのは大変だし、どうせまた転倒すれば傷つくし・・・
って事で、取り敢えず凹みが埋まって平らになればいいかな?って感じで。(笑)

次は、塗装だが…
バイク用のペイントなら「デイトナ」のMCペインターだが、オリジナルと同じ色は無かった。
それに、入手に時間がかかるので、作業を始めてから足りなくなった時に困る。

という事で、似たような色でタンク丸ごと塗装する事にした。
で、ホームセンターに売っているカースプレーの、ホンダ車のブラックメタリック系の色を選んだのだが・・・
仕上がりは、ホーネット600のオリジナルと比べるとメタリックが少なくて、まるっきりソリッドの黒に見える。

まぁ、色合いが違うのは最初から覚悟の上だったのだが、
実際に車体に取り付けてみると、他のバイクのタンクの艶と全く違う。
結構古めの中古のバイクと比べても雲泥の差だ。(^_^;)

この違いは何だろう?

バイクのタンクの塗装面を良ぉ〜く見てみると・・・
クルマの塗装の様なガン肌が無い事に気づいた!
ガン肌というのは、スプレーで霧状になった塗料が塗装面に重なった時に、表面が波を打ったように僅かに細かい凹凸ができるのだが、
バイクのタンクの塗装は、それが全く無いのである!

このツヤをだすにはウレタン塗装しかない。
ウレタン塗装は、塗膜が厚く表面が平滑で抜群の光沢となるのだ。
そこで、再度、塗装をし直して、ウレタンのクリアーを上に吹く事にした。

ちなみに、アクリル塗装は溶剤が揮発する事で硬化します。
なので、表面が早く硬化し、内部まで完全に固まるまで時間がかかります。
表面の硬化が早いので塗料の粒でできるガン肌が出来るのです。
また、内部から溶剤が揮発するので、塗膜に溶剤が抜けるミクロな穴があります。
そして、内部まで完全に硬化しやすいように、厚塗りをせず、薄く、何度も重ね塗りをするのが基本です。

一方、ウレタン塗装は硬化剤が反応して固まるので、内部から硬化が始まり、表面が固まるまで時間がかかるので、
表面張力で表面が平滑になるのです。
また、硬化剤の反応で固まるので、1回に塗る塗膜を厚くしても硬化します。
溶剤が揮発しないので、ミクロな穴も発生しません。

しかし、通常、ウレタン塗装とアクリル塗装は重ね塗りの相性が良くない。
下地のアクリルが完全に硬化しない内に、ウレタンのクリアを上に吹くと、
硬化したウレタンの下でアクリルの溶剤が揮発しようとして、ウレタンの塗膜にシワができたり、後で剥離したりする原因になります。

なので、下に塗ったアクリルが完全に硬化し、乾燥してから、耐水ペーパで足ツケ(下地処理)をしてから、ウレタンを塗装するのですが・・・

一般にカースプレーとして市販されているウレタンクリアスプレーは、
実は、この常識が通用しない代物だったのです!(^○^;)

話は戻って、ベースとなるアクリル塗料のスプレーだが、
ホンダ車用はメタリックが弱かったので、一番メタリックが強そうなカラーを探した。
結果、ニッサンのブラックメタリックを選択。

どうせ塗り直しという事で、細かな凹みや傷もパテで修正して、下地のプラサフから塗り直し。

そうそう、タンク全体を塗り直すので、給油口を取り外して、
ほこりや塗装がタンク内に入らない程度に、その辺にあったセルロイド風のバッテリーの箱を給油口の形に切って、
マスキングテープでとめて蓋をします。

で、ブラックメタリックを1回塗って、一晩乾燥させて・・・

翌朝、タバコを一服しに車庫へ行ったら・・・

が・・・ガソリン臭ぇ〜!(@_@;)

煙草に火を付けたら爆発しそうなほど、車庫にガソリンが充満しているぅ〜!

タンクに発泡スチロールの箱を挟んで、タンクが少し浮き上がるようにして置いたのだが、
それがずれて、タンクが倒れて、さかさまになっていたのだぁ〜!(T_T)

幸い、タオルを下に敷いてあったので、タンクに傷は付いていなかったのだが、
そのタオルにガソリンがたっぷり浸みこんで、ガソリンでタンクを湿布した状態になっている!(爆)

そう、前回塗装した塗膜やら、今回塗装したプラサフやらブラックメタリックやらが、みんなぶよぶよに膨らんで、大火傷の火ぶくれ状態・・・
つまり、ぶよぶよに膨らんだ塗装膜が完全に乾いてから、再び削り落さなければならなくなってしまった。(T_T)

こいつがまたクセもので、ぶよぶよに膨らんで、炭化したみたいになっていて、
ペーパーをかけても、すぐに目詰まりしてしまうのだ。
そこで、目が最も粗い、布ヤスリを買ってきて、それで削り落した。

で、最初からやり直し・・・
おかげで、タンクが我が子の様に可愛く思えてきましたよぉ〜!(泣)

でもまぁ、何とかベースのブラックメタリックを吹き終えて、
いよいよウレタン・クリアの上塗りです。

先に書いたように、通常、ウレタンを上塗りする場合は、下に塗ったアクリルが完全に乾燥・硬化してから、
足ツケしてウレタンを吹かなければならないのだが、
カースプレーのウレタンクリアはちょっと違う。

アクリルを塗装したら、乾かない内にウレタン・クリアを重ね塗りするのだ。
すると、アクリルとウレタンの境界面で溶けあって、強固に結びつくようになっているそうだ。

そして、下に塗ったアクリルの溶剤が揮発するように、ウレタンの層も溶剤が抜ける隙間があるのである。
そのため、更にウレタンを重ね塗りする場合は、乾かない内にウレタンを重ね塗りしなければならない。
乾いた後にウレタンを重ね塗りすると、溶剤が抜けた隙間から、重ね塗りした溶剤が浸みこんで、
中でアクリルの層を溶かして、ぶよぶよになってしまうそうである。

もっとも、ウレタン・クリアは2剤混合で、一旦混合したら一定時間でスプレー缶の中で固まってしまうので、
一気に使用しなければならない。
なので、5分程度の間隔で、1缶使い切るまで重ね塗りする。

ちなみに、アクリルの場合は、1回の塗装であまり厚塗りするとタレてしまうので、薄く何回も重ねるのが基本ですが、
アクリルの場合は、出来る限り厚塗りするのがコツです。
この時、塗装している表面を良く見ると、吹きつけた塗装の粒子が表面で溶けて平らになって行くのが見えます。
この状態を良く見ると、タレる直前を感じる事ができます。

ウレタンを吹き終わったら、乾燥・硬化させて、コンパウンドで仕上げです。
通常のウレタンであれば、24時間もすれば硬化するのですが、
カースプレーのウレタンは、下地のアクリルが乾燥・硬化するまで待たなければならないので、1週間ほど待ちになります。

で、今回は、クリーム状のチューブ式コンパウンドをかけた後、
超微粒子(3000番)の液体コンパウンドと、更に、極超微粒子鏡面仕上げ(9800番)の液体コンパウンドを使用。o(^o^)o

粗目から順にかけていきます。
コンパウンドがけには、専用のスポンジがお勧め。
ただのスポンジにしてはちょっとお高めですけど…(^_^;)

で、完成した状態がこちら↓
水滴型に平らになっている部分が凹みの跡です。(笑)
意外と不自然じゃないと好評です。(^○^;)



で、ニッサンのブラックメタリックは、メタリックが強すぎて、まるでガメンメタみたいなカラーになっちゃいました。(^○^;)
でも、エンジンやサイドカバーが渋めのシルバーなので、ガンメタもなかなかマッチングが宜しい。(笑)
って事で、穴があいたテールカウル、削れたメーターバイザー、ついでにFフェンダーも同色で塗り替える事に。



↑こちらも、膨らみの頂点が若干平らになっている部分が、穴が開いた部分の補修痕。(笑)
ヘアーライン仕上げ(爆)のマフラーとのバランスもなかなか宜しい?(^○^;)

↓傷ついたメータバイザーも、パテで補修後に、ブラックメタリックと艶消し黒で再塗装。
右のウインカーが折れたままですが、点灯するのでそのまま。(爆)



↓Fフェンダーも塗り直し。



ジムカーナもどき練習用に、レンテックのCB600 Hornet 用のエンジンガードも装着!
きっちりエンジンをガードして丈夫そうな形状で、価格は2万円ちょっととリーズナブル。
作りがラフなのか、05モデルのフレーム形状が多少違うのか分かりませんが、
ボルトを締め付けると、エキパイに干渉するので、ボルト穴を多少広げて取り付け位置を修正しなければなりませんでしたが…(−_−;)
ま、大きな修正作業は無しで取り付きました。




ハリケーンハンドルアップスペーサH25も装着。
ホーネット用は断面が台形なので専用型番となります。
25mmアップなら、ケーブル類を交換しなくても装着できるのでお手軽です。
若干、ケーブルの取り回しを修正する必要がありますけど。

周りが艶消しのシルバーで、スペーサがポリッシュなので、
ちょっと見は、目の錯覚でハンドルが浮き上がって見えます!(爆)

このほ〜ちゃんは、購入時点でシートがあんこ抜きされていたので、
ハンドルアップと相まって、ライディングポジションがかなり立ち気味になりました。(^_^;)



↓CB750 Uに付けていた、可倒式ミラーに交換。




↓で、全体像はこんなになりましたぁ〜o(^o^)o




さぁて・・・このほ〜ちゃんで始める、ジムカーナもどきトレーニング(爆)はいかに・・・?(笑)