第9回:相対性理論の正しい解釈
相対性理論の話になると避けて通れないのが時空(時間と空間)である。
速度が光速に近づくと時間の経過が遅くなるとか長さが変化するとかいう話だ。
そもそも、時間と空間とは何か?
どちらも、実際に存在する物体やエネルギーではない。
人間が考え出した概念、決め事である。
空間(座標)は、位置や大きさを表現するために、直行する3本の直線に一定間隔の目盛を振ったものである。
時間は、空間を何かが移動する際の速さを表すための概念である。
同じ距離を移動した時に、時間が短ければ「速い」、時間が長ければ「遅い」とするための尺度である。
で、時間は一定の間隔で経過するという概念である。
ここで前回書いた、重力レンズの話で説明してみよう。
太陽の様に大きな天体のそばを光が通過すると重力の影響で光の軌跡が曲がるという現象である。
相対性理論では、これを空間が曲がると表現する。
(何の事は無い、光も慣性と重力の影響を受けているだけなのだが)
しかし、「空間が曲がる」とは、『何に対して』曲がるの?
そう、「本来の概念である空間(直線)」に対して曲がっているという事である。
つまり、相対性理論の「空間」と、本来の概念である『空間(直線)』とは別モノという事である。
ここ、重要です!(笑)
光は直進して速度が一定を前提にした相対性理論は、光で観測した時には、その結果と良く一致します。
また、光を物差しとして式を作っているだけなので、
式が正しければ、現実と計算結果は良く一致するでしょう。←当たり前の話。
しかし、ここで間違えてはいけないのは、相対性理論の時間と空間は、
本来の概念である時間と空間とは別モノだという事です。
ですから、相対性理論の時空と、本来の概念の時空を比較することは無意味です!
※.双子の宇宙飛行士の話とか。
あくまでも、光を物差しにして計算すれば単純(シンプル)で現実に良く一致するという事です。
しかし、それは、「光が直進して速度が一定だから」ではなく、
光を物差しにした方が、「式が単純になる」だけの話です。
相対性理論の、それ以外の「正しさ」は、光速度不変とは何ら関係ありません。
光を物差しにした時の式が正しいだけです。
逆に言えば、
光は直進せず、速度は相対的である。
としても、同じ結果を計算する事が可能です。
但し、計算式は複雑になりますが・・・
具体的な計算式の話は次回以降に掲載したいと思っています・・・
【続く】