第26回:光と電波って同じなのかなぁ?


ところで、電磁波って、
引力」も「反発力」もないですよね?

でも電磁波って、「電場と磁場の変化の波」ですから・・・

磁場」は、同じ極同士は「反発」して、
違う極同士は「引力」ですよね。

で、「電場」は、電荷の周りに生じる電磁的な力なので、
電荷には「プラス」と「マイナス」の『電極』があって、
磁場と同じに、同極は「反発」、異極は「引力

なのに、『電磁波』は、引力も反発力もない・・・???

ちなみに、磁力には、電気の場合の電子と言う「電荷」の様な単位?粒子?が無くて、
一方だけの磁極は単独で存在しないという事は、
磁力の「モト」になる単独の物質が存在しない
渦の様に回転するエネルギー場だけが存在するって事ですね。

で、磁界は電界の変化電流で生成されますが、
磁力の本質?は、電子内にあり、
電磁気力として、相互作用を行い、
その影響力=電界と磁界の変化=波が空間を伝わるのが電磁波っていう訳?

で、電波も電磁波で、
電波は、電子が飛んでいる訳ではなくて、
電界と磁界が交互に作用して伝わるエネルギーの波という事で・・・

で、「」(可視光)と「電波」ですが・・・
やっぱり、光と電波って、やっぱり違うモノな気がするんですよねぇ〜(^○^;)

で、考えてみると、
電波も、周波数が高くなると、
直進性や障害物に対する回り込みなどの性質が光に近づくと言われていますが、
可視光は、波長が380〜750nm(周波数:790〜400THz)で、
電波は、波長が100μm以上(周波数:3THz以下)で、
200倍ほどの違いがあります。

なので、
電磁波の中でも、
周波数(波長)が、より電波に近い「赤外線」で考えてみます。

赤外線(熱線?)は、周波数が400THz〜300GHz(波長:760nm〜1mm)なので、
3THz〜300GHz100μm〜1mm)は、
赤外線と電波でカブっています。(^○^;)

という事で、もう一度調べ直してみると・・・

赤外線絶対零度以上の物体が放射する電磁波
  (周波数:400THz〜300GHz、波長:750nm〜1mm程度)

電波:周波数が3THz以下、波長100μm(0.1mm)以上の電磁波

という事で、
更に、電波とカブっている3THz〜300GHzの「遠赤外線」は『熱線』と呼ばれます。

つまり、この帯域の電磁波(遠赤外線)は『熱エネルギー』ですね。

一方、
遠赤外線とカブっている300GHz以上の電波はマイクロ波で、
波長が1mm以下を「サブミリ波」、
周波数が1THz以上(波長:300μm以下)を「テラヘルツ波」と呼びます。

で、「電波望遠鏡」は、
この帯域の電磁波「遠赤外線(ミリ波、サブミリ波)」を、
大型パラボラアンテナで受信して、
数K数10Kという極低温の星間ガスなどを観測していますが、
その受信部の構造(方式)も2種類あります。

マイクロ波の「電波」として受信する方法は『ヘテロダイン受信機』で、
これは電波の受信機と同じです。

もう一つは、「熱エネルギー」を検出する『ボロメーター』で、
これは熱センサーです。

つまり、
3THz〜300GHzの電磁波は、
電波でも遠赤外線(熱エネルギー)でもある訳ですねぇ〜(^_^;)

ちなみに、面白い事に、遠い恒星ほど「赤方偏移」しているので、
遠赤外線の見かけの明るさが増して、観測しやすいというメリットもあるそうです。

ですが、
電波望遠鏡の仕組みは電波の受信機と同じなので、
面方向の解像度は、
光学望遠鏡と違って、基本『』です。(^○^;)

可視光(波長380〜750nm)に対して、
通常の?電波望遠鏡が受信する電波は、
波長が数mm〜数m(周波数:数100MHz〜数10GHz)で、
1万倍以上も波長が長いので、分解能が低くなり、
巨大なパラボラアンテナが必要になります。

以前、目の構造で書いたように、
目(望遠鏡)の口径を通る光(電磁波)は、
その「位置」ではなく、『角度』毎に収束して網膜(受信部)に到達します。

そのため、パラボラの反射板は、
その反射光が、正確に受信部へ到達しなければなりません。

その誤差範囲が『1画素』となるので、
受信部の画素数(解像度)は、パラボラの反射面の精度に依存します。

野辺山の国立天文台の45m電波望遠鏡は、
22GHz〜230GHzの周波数帯毎に約10台の受信機が設置されていますが、
その内の、40GHz帯受信機は、
波長が7.5mmと短めなので解像度が高く、
5×5=25個の受信機で受信します。

つまり、面方向の画素数が”25”あります。

更に、遠赤外線帯域(波長100μm〜1mm)は、
更に光に近くなって、波長が200倍程度なので、
更に画素数を増やすことが可能で、
350GHz帯のセンサーを271個並べた物もあります。

一方で、電波望遠鏡は、『開口合成』という、
距離が離れた複数の望遠鏡を連携させて解像度を上げる事ができます。

ALMA望遠鏡
https://alma-telescope.jp/


【続く】