第35回:移動する光源がどう見えるか【v=0.5c】


さて、前回は「移動する光源からの光」が、
観測者にどう伝わるか?
を、図解しましたが・・・

今回は、移動する光源が、
観測者にどう見えるか?
を図解します。

光源の速度 0.5c
グラフの升目 15万km光の速度で0.5秒)、光源が1秒で進む距離
光源から放射された光の位置
赤● 観測者の位置
”→”付の
青○
観測者に光が届いた時の光源の位置
(観測者に見える光源の位置と方向
青矢印 観測者に届く光の方向
点線矢印 実際の光源の方向
以下、図左下のカウンタ
下段の黒 光源から放射された光が観測者に届いた時刻
上段の青 観測者に届いた光が光源から放射された時刻
即ち、観測者に見えている光源の時刻
上段の赤 観測者に光が届いた時刻と、見えている光源の時刻の差
即ち、光源から観測者までの光の移動時間
下段の青 光源から1秒ごとに放射された光が、観測者に届く間隔
即ち、観測者に見えている光源の時刻の進み遅れ

光源からの光は、点線の○の方向から届くので、
観測者には、その方向に光源があるように見えます。↓

但し、その光は放射された方向に、光源の速度が合成されている為、
下図の実際の光源の位置”→”付の〇)から、
観測者へ向かう点線の方向(光源の進行方向に対して真横)へ放射された光です。

なので、観測者には「真横」から見た様に見えます。↓
(下図のタイミングの場合)



また、光源までの「見た目の距離」は・・・

光源から見ると、光は移動する光源を中心に球状に広がります。
この球面上の「あるサイズ(長さ・面積)」は、
一定の中心角で距離に比例して広がります。

逆に、距離に反比例して、
離れるほど光源が小さく見えるので、
この球面の「サイズ」から、光源までの距離(半径)が解ります。

即ち、観測者の位置に接する光の球面と、
中心との距離が「見た目の距離」となるので、
実際の光源の位置を中心とした球面の半径が「見た目の距離」となります。(上図↑

上図のタイミングでは、光が放射された時の位置よりも、
近くに見える事になります。

これらの「見た目の位置と方向」を、
時系列で合成すると、こうなります。↓

灰色の矢印 実際の進行方向
青の矢印 見た目の進行方向



この軌跡を見ると、
一見、1次関数(直線)の様に見えるのですが・・・・?

【続く】