第38回:見た目の光源の軌跡【v=0.5c】
前回は v=c で、見た目の光源の軌跡が2次関数(双曲線)であることを図解しましたが、
そうなると、v=0.5c の場合も、
下図の様な1次関数(直線)では、無さそうです。(^_^;)
まぁ、少なくとも、光源がやってくる方向の無限遠は、
X軸(光源の実際の軌跡)と平行に近くなるハズです。
という事で、
v=0.5c の場合を、もっと広範囲で図解してみると・・・
光源の速度v | 0.5c (光速の半分) |
グラフの升目 | 15万km(光の速度で0.5秒)、光源が1秒で進む距離 |
円 | 光源から放射された光の位置 |
赤● | 観測者の位置 |
”→”付の 青○ |
観測者に届いた時の光源の位置 (観測者に見える光源の位置と方向) |
青矢印 | 観測者に届く光の方向 |
点線矢印 | 実際の光源の方向 |
以下、図左下のカウンタ | |
上段の黒 | 光源から放射された光が観測者に届いた時刻 |
下段の青 | 観測者に届いた光が光源から放射された時刻 即ち、観測者に見えている光源の時刻 |
上段の青 | 光源から1秒ごとに放射された光が、観測者に届く間隔 即ち、観測者に見えている光源の時刻の進み遅れ |
下段の赤 | 観測者に光が届いた時刻と、見えている光源の時刻の差 即ち、光源から観測者までの光の移動時間 |
この場合の、見た目の光源の軌跡は・・・↓
↑この様に、光源が観測者の横を通過する時に、
蛇行する様な軌跡を描きます。
光源がやってくる方向は、X軸(光源の実際の軌跡)と並行で、
過ぎ去っていく方向は、X軸と平行なのか?
やや上向きになるのか?
この図からは判別できません。(^_^;)
でぇ〜、この軌跡から、見た目の速度は・・・・
上図だと、一見して、近づいてくる時に遅く、
通過すると加速する様に見えますが・・・
注意が必要なのは、
この図は、光が光源を出た時刻が1秒毎だという事です。(^_^;)
つまり、光源の系の時刻毎であって、
観測者の時間間隔ではありません。(^○^;)
この図で判るのは、
届いた時刻の間隔が短いほど、見た目の時刻が早く過ぎていくという事だけです。
なので、ここで、動画の左上のカウンタを表にすると↓
光源の時刻 | 届いた時刻 | 1秒の間隔 | 時刻の遅れ |
00 | 05.100 | 5.100 | |
01 | 05.750 | 0.650 | 4.750 |
02 | 06.400 | 0.650 | 4.400 |
03 | 07.100 | 0.700 | 4.100 |
04 | 07.750 | 0.650 | 3.750 |
05 | 08.450 | 0.700 | 3.450 |
06 | 09.100 | 0.650 | 3.100 |
07 | 09.800 | 0.700 | 2.800 |
08 | 10.450 | 0.650 | 2.450 |
09 | 11.150 | 0.700 | 2.150 |
10 | 11.850 | 0.700 | 1.850 |
11 | 12.575 | 0.725 | 1.575 |
12 | 13.300 | 0.725 | 1.300 |
13 | 14.100 | 0.800 | 1.100 |
14 | 15.000 | 0.900 | 1.000 |
15 | 16.150 | 1.150 | 1.150 |
16 | 17.650 | 1.500 | 1.650 |
17 | 19.400 | 1.750 | 2.400 |
18 | 21.300 | 1.900 | 3.300 |
19 | 23.200 | 1.900 | 4.200 |
20 | 25.200 | 2.000 | 5.200 |
「光源の時刻」で”10”までの、
加速者に届いた間隔(見た目の時間の間隔)は、ほぼ一定で、
平均は0.675ですが、
恐らく、光速度+光源の速度(0.5c)=1.5cから、
”0.667”で、時間の経過が1.5倍という事でしょう。
つまり、光源の時刻の進みが1.5倍速く見えるという事です。
で、光源の時刻”0”から”10”までの、
見た目の移動距離は、図のマス目で6.7程度で、
この距離を(観測者の時刻で)6.7秒ほどで通過しているので、
ほぼ、実際の速度 v=0.5c という事になります。
つまり、光源が向かってくる場合は、
ほぼ実際の速度に見えるという事です。
一方、
光源の1秒毎の光が、観測者に0.667秒毎に届きます。
単位時間当たりの振動数が「周波数」なので、
観測者は、周波数が1.5倍に高くなった光を観測します。
しかし、光の速度が1.5倍になるので、
光源に対する「波長」は、元の長さのままですが、
1.5倍の速さで観測者を通過するので、
観測者には波長が3分の2(0.667倍)に見えます。
つまり、
周波数が高く、波長が短くなります。
そして、[周波数×波長」が一定となる為、
観測者には、光源の速度に関わらず「光速度一定」に見えます。
また、まさに、これは、
ドップラー効果で紫(青)方偏移しているという事です。
「光速度不変」の場合は、
幾何では説明できないドップラー効果も、
「光速度相対」であれば、素直に説明されます。(^○^;)
で、光源の実際の位置が、
観測者の真横を通過するタイミングは、
上の表の「光源の時刻」で”15”以降ですが・・・
光源から届く光の周期が一気に長くなり、
光源の時刻”14”から””20”を見ると、
5〜6秒で、周期が1秒から2秒へ延びています。
これは、光源の時刻の進み方が半分ほどに遅くなることを示します。
でぇ〜、これらの事を踏まえて、
観測者の時計の1秒毎を動画にしたのが、こちら↓
で、 この場合の、見た目の光源の軌跡が、こちら↓
観測者の時計で見ると、
光源の速度は、通過する前後の2秒程度を除くと、
ほぼ一定で、光源の実際の速度とほぼ等しくなります。
【続く】